STORYギョザッザーの物語
ヒーロー・ザッザー
宇宙GYO(ジーワイオー)星団の33番星で、彼は生まれた。
名前はザッザー。
33と書くが、この星では33をザッザーと読む。
生まれた時、親が「この子はこの星を背負う戦士になる」と直感し、星の名前をそのまま付けたのである。
小さい頃からソルジャーとしての運命を背負わされ、厳しい修業を積み、突如開かれた過酷な大会「愛と勇気のGYO星団最強ソルジャー決定トーナメント」でザッザーは優勝することとなる。
しかしその優勝は惑星地球に行き、悪者「はるまキッキー」通称 ”キッキー” から地球平和を守るという、とても厳しく過酷な戦いのミッションを命ぜられる意味でもあった。
キッキーとは、遠い過去よりGYO星団33番星を侵略しようと企む、バンブーシューツという惑星に住む春巻きの形をした邪悪な宇宙生命体だ。
スターチアメーバという手下を大量に引き連れている。
これまで何度もその侵略に失敗しているため、次は惑星地球に舞い降り、キッキーが以前から面白く思っていなかった、地球で愛されている餃子を絶滅させ、春巻きに置き換えようとする非情な悪事をくわだてる。
GYO平和維持軍は、バンブーシューツ惑星へのハッキングでその情報を得た瞬間、その恐ろしさに凍り付いたのであった。
それは何があっても命がけで阻止しなければならない。
そう、GYO33惑星民が愛する地球を守る、GYO星団33番星のプライドを賭けた、キッキーとの戦い。
よって、そのミッションにはコードネームが星の名前そのまま "GYO33" と付けられ、通称 ”ギョザッザー” と呼び、ザッザーはそのターミネーターと化して、愛と勇気で惑星地球に舞い降りる決意をしたのであった。
GYO星団33番という惑星
地球からおよそ33光年。
そこに位置する、まだ地球上に知られていない小規模な星団がGYO星団だ。
星団とは、銀河より規模の小さい星の集団を指すが、その中でも規模はかなり小さい。
しかしなぜ、現在の地球の技術では135億光年も先の銀河を観測できるとされているのに、地球人に発見されていないのか。
その訳は、GYO星団のほとんどの生命体が、光・紫外線・赤外線をも完璧に遮断してしまう特殊なONRというガスを体内で作り放出する性質があり、その結果、数億年という長い年月を経てそのガスが宇宙空間に蓄積され、星団全体を星雲のように覆ったとされている。
よって、NASAが総力をあげて開発した地球最先端のジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡にも反応しないため写らないのだ。
そんな星団の中に、33番と名付けられた惑星地球と同程度の直径でフライパン型をした惑星がある。
そう、主人公ザッザーが生まれ、この物語の根源となるGYO33惑星だ。
この星は形成される段階で多くの隕石が上と下からのみ衝突するという超常現象が起こり、元々この星を構成する成分が鉄や炭素を多く含んでいたことも相まって、奇跡的に類を見ないこの形になったとされている。
その後、ひとつが地球の大国ほどある信じられない巨大さの餃子形ドームが、地表の隆起で二人前分形成され、惑星民はその中で文明を築き暮らしている。
これらのドームは、すべて海底でつながっている。
惑星から突き出ている取っ手のような部分は、最先端宇宙船 "SARA" が開発されたあと、その発射台として惑星民の英知により作られた。
平和の象徴「餃子」
この惑星民のDNAは、餃子の配列に酷似している部分を多数持っていることがわかっている。
そのため惑星民の個体形状が餃子形に進化しているのだ。
実際は逆であり、時系列から言えばこの惑星民の誕生が先。
その先人たちが作り出したものであるため「餃子」になった。
ネーミングはGYO惑星が作り出した子供で未来への希望を込めた「GYOの子」が起源だ。
また、惑星地球は生命体生存のための環境条件の良さから奇跡の星と呼ばれているが、実はGYO33惑星の環境も地球環境に酷似しており、これもまた奇跡の星なのである。
そういったことから、GYO33惑星民は惑星地球に親近感を持つようになり、数億年前から惑星地球へ地球人にわからないように出入りをし、平和維持のための調査を行うようになったのだ。
GYO平和維持軍が地球人に存在を隠すのは、まだ地球人は宇宙空間で時空を操る技術を獲得できておらず、ほんの限られた一部の人間が、宇宙条約を無視して地球舞い降りた地球外生命体を目にしたことがある程度だ。
そのため地球外生命体は都市伝説としか思っていなく、その存在を信じない人間もかなり多い。
よって突然地球外生命体が姿を現せば、惑星地球全体がパニックになり平和を維持できなくなるとの予想から、姿を現さないようにしているのだ。
実は地球上の餃子は、大昔にGYO平和維持軍が惑星地球の某大国へ探索へ行った際、蒸し餃子のレシピと行動プログラムを密かに地球人の脳に書き込み、作らせたのが起源とされている。
GYO33惑星の平和の象徴である「餃子」を惑星地球に浸透させ、平和であり続けて欲しいと願いを込めているからだ。
よって、そのプログラムを書き込まれた人間もまったく気づかず、無意識に餃子を作り出し各地に広まった。
通常では使ってはいけない禁断の手口ではあるが、惑星地球の平和のため、こうして誰にも気づかれずに餃子を地球に浸透させることに成功したとされている。
幸せの理想郷GYO
この惑星は惑星民のほとんどが無償の愛に溢れ、毎日幸せを感じて暮らし、最先端テクノロジーと古代文明方式による手仕事の両極端を教育するため、社会のバランスが取れているとても美しいユートピアだ。
地球の縄文時代や石器時代のように原始的な文明の時代も経てきたため、現在も石を積んだ家を好んで建てる惑星民など、その原始的文化は最先端の中にも大切に継承されているのであった。
その幸せの裏には、この惑星の歴史を語る上で避けて通れない長老、”ムシ” と呼ばれ王に君臨する仙人の存在がある。
惑星民に愛されてやまない絶対的なリーダーだ。
餃子のルーツもすべて知り尽くしている唯一の存在である。
GYO33番星は、NNKやNRと呼ばれる滋養強壮と不老長寿に効果がある食料を筆頭に豊富な資源に恵まれており、他惑星との貿易も盛んな星だ。
そのため、キッキーをはじめ、他の様々な宇宙生命体がこの豊かな星を根こそぎ奪おうと企み、一方的な侵略戦争をしばし仕掛けられる歴史を持つのであった。
ムシは、そのたび侵略者との戦いに自ら戦線に立ち、この惑星を守り、そして惑星民が幸せに暮らせるよう真剣に考えながら法律を作ってきた。
文字通り命を賭けて築き上げてきたものであり、それを知る惑星民は彼を尊敬してやまないのである。
いざ惑星地球へ
さておき、早速キッキーとの戦場となるであろう場所を調査するため、ムシは偵察隊としてザッザー・スイ・アゲアゲの3人に惑星地球の某地方都市へ向かうよう命じた。
3人はGYO平和維持軍が開発した、様々な空間を突破できる最先端の宇宙船”SARA”に乗り込む。
そして壮大な物語は始まるのであった.....
※この物語はフィクションです。